NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
2014年08月19日 (火) | 編集 |
第122回

蓮子と伴って村岡家を訪れた黒沢の目的は、花子にラジオ番組の出演を依頼することだった。

「今度『コドモの新聞』という番組が始まるのです。

子供たちにニュースを分かりやすく伝える番組なんですが、語り手がアナウンサーだけでは堅苦しいので、そこで誰かいないかと捜していたんですよ」


花子が自宅の界隈で『お話のおばさん』と呼ばれていることを知った蓮子が黒沢に推薦したのだ。

「先ほど、子供たちに本を読んでやっているところを拝見して確信しました。

村岡先生が引き受けてくれれば、きっと全国の子供たちが、あんな風にラジオの前に釘づけになると」


黒沢はすっかり乗り気になっていた。

「無理です、私には!」

花子は自分がひどいあがり症だということを理由に固辞した。

しかし、黒沢は、一度局に見学がてら来てほしいと告げて、その日は帰って行った。

* * * * * * * * * *

「やってみればいいのに、ラジオの仕事。

… 前から思ってたんだけど、花子さんの話す声は人をホッとさせる」


夜、書斎で仕事している花子にお茶を運んできた英治は黒沢の仕事を引き受けるように勧めた。

「特に子供たちに話す声は愛にあふれていて、暖かくて … 」

「そんなことはじめて聞いたわ」


面と向かって褒められた花子は、照れて顔を赤らめた。

「もしナマケモノのお母さんがしゃべったら、きっとそういう声に違いないな」

「は?」

「 … 褒めたつもりなんだけど」

「褒められてません。

やっぱり明日断ってくるわ」


英治は残念そうな顔をした。

「花子さん、緊張して失敗するのが嫌なのか?」

確かにそれも理由のひとつだったが、今の花子は翻訳の仕事で手一杯なのだ。

「 … ラジオに出る時間があるなら、面白い物語をひとつでも多く、日本の子供たちに伝えたいの」

英治は、もうそれ以上何も言えず、花子らしいと微笑むだけだった。

* * * * * * * * * *

「その村岡先生ってのは何者なんだ?」

JOAKの制作部長、漆原光麿は不機嫌そうに黒沢に訊ねた。

「児童文学の翻訳をなさっている村岡花子先生です」

「花子 … 女?」

「漆原部長、断りましょう」


看板アナウンサーの有馬次郎も子供向けの番組とはいえ素人の女性を起用することには反対だった。

「しかし、もう局長の承諾もいただきました」

孫が『王子と乞食』の愛読者である局長は花子の起用に賛成なのだ。

そのことを知った漆原は黙り込んでしまった。

* * * * * * * * * *

一方、花子は黒沢に正式に断りを入れるためにJOAKを訪れていた。

「 … 来てくれなくてもよかったのに」

「ラジオ局ってどんな所か一度見たかったんだよ」


お供で着いてきた英治は呑気なことを言っている。

「ようこそ。JOAK東京放送局へ」

応接室で待っていると、ほどなくして漆原と黒沢が現れた。

「番組の内容は黒沢から説明があった通りです … 出演していただけますよね?」

局長の意向だと分かった途端、漆原は表向きは賛成の立場に回っていた。

ところが、花子は …

「いいえ、今日はお断りするために伺ったんです」

「どうしてですか?」

「ラジオの向こうの大勢の人たちにお話しすると考えただけでも震えて、身がすくんでしまうんです」

「まあ、そうおっしゃらずに、うちの局長も乗り気ですので、引き受けてくださいよ、山岡先生」


いくら表面をよくしても、名前さえ憶えていない … 漆原にとって花子はその程度の存在なのが見え見えだった。

「これから放送がありますので、我々はスタジオに行きます。

どうぞ、一緒に見学にいらしてください」


* * * * * * * * * *

英治と花子は黒沢にスタジオへと案内された。

「ここが指揮室です … ここから放送が出ます。

これからテストして、本番がはじまります」


ガラス越しのスタジオの中では有馬が発声練習をして声の調子を整えていた。

「 … JOAK東京放送局であります」

花子はハッとした。

それは、歩が鉱石ラジオを耳にしながら、よく口真似していた文言だった。

花子はまるで歩が目の前にいるかのように、スタジオの中を見つめていた。

* * * * * * * * * *

本番が終わり、有馬がスタジオから出てきた。

「いかがでしたか?」

黒沢は花子に感想を訊いた。

「 … 本番でよくあれだけ落ち着いていらっしゃれるものですね。

私はここで聞いているだけで足が震えました」


実際に有馬の仕事ぶりを見せて花子に引導を渡す … すべては漆原の思惑通りのはずだった。

「でもやってみます」

「は?」

「私でよければ … やらせてください」


思い出の中の歩が花子の背中を押したのだ。

「では、引き受けてくださるんですね?

ありがとうございます」


喜ぶ黒沢と裏腹に漆原と有馬は複雑な表情をしていた。

* * * * * * * * * *

出口に向かいながら花子は英治に言った。

「英治さんの言いたいことは分かるわ。

『断りに来たんだろ?

君はひどいあがり症なのに、大丈夫なのか』って言いたいんでしょ?」


英治はただ笑っている。

「 … 全くその通りよね」

「いや、僕は君の勇気を讃えるよ … よく引き受けたね。

歩もきっと天国で喜んでいるよ」


英治も同じ風景を見ていたのだ。

「あの子は、ラジオが大好きだったからな」

歩が導いてくれた仕事にも思えるふたりだった。

* * * * * * * * * *

「村岡先生、早速ですが、マイクの前で声を出してみてください」

後を追いかけてきた黒沢が、最初の放送で読む予定の原稿を渡してテストをしたいと申し出た。

仕事がある英治はひと足先に帰って、花子はスタジオへと戻った。

* * * * * * * * * *

マイクの前にはじめて座った花子は落ち着かない様子で辺りを見渡した。

すると、指揮室から黒沢が合図するのが見えた。

「た、た … 大切な … て、帝国議会のおし、お話」

「村岡先生、テストですからそこまで固くならずに … 一度深呼吸してみましょうか?」

「 … はい」


花子は立ち上がって二度三度、深呼吸をしてみた。

しかし、落ち着くどころか、なおさら緊張の度合いが増したような気さえした。

* * * * * * * * * *

黒沢は再び合図した。

「 … 帝国ぎ、帝国議会とは、尋常6年のと、読本 … 巻の12と、修身の本には出ておりますように … 」

はじめてにしても酷すぎた。

「部長、本気でこの人に番組をやらせるおつもりですか?」

有馬が漆原に渋い顔で訊ねた。

「局長がそう言ってるんだからしょうがないだろう」

* * * * * * * * * *

「すいません、緊張してしまって … 」

指揮室に出てきた花子は漆原達に申し訳なさそうに頭を下げた。

「いいえ、なかなか結構でしたよ ~

あなたと一週交代で語りを担当してもらうことになった有馬次郎アナウンサーです」


漆原は花子に有馬を紹介すると、後は全て有馬に押し付けてスタジオから逃げるように出て行ってしまった。

* * * * * * * * * *

「村岡先生、今から特訓を受けてもらいます」

さすがに黒沢もこのままでは使い物にならないと、有馬による特訓を花子に課したのだった。

「おかしな抑揚をつけるな」「発音滑舌なにもかもなっていない」 … 有馬の辛辣な指摘が容赦なく花子に浴びせられた。

「まずは早口言葉!」

「久留米のくぐり戸はくぐ … 久留米のくぐり戸は栗の木のくぐり戸、くぐりつけりゃ、くぐりいいが … 」

「遅い!

それでは時間内に原稿を読み終わりません!

… 武具馬具ぶぐばく、三ぶぐばく!」

「ぶぐがぐ … ぶぐばぐぶぐばく、ぶぐばぐぶぐばぐ … 」

「遅いっ!!」


* * * * * * * * * *

< 花子がボロボロになりながら特訓を受けている頃 >

昨日の今日で、花子がまさかラジオ局でしごかれているとは夢にも思わない蓮子だった。

「はなちゃんなら大丈夫」

そう確信しながら原稿を執筆するペンを走らせていると、何者かが玄関の戸を叩いた。

「ごめんください、ごめんください!」

浪子が玄関を開けると、妙齢の女性が駆け込んできた。

「あの、こちら宮本先生のお宅ですよね ~ 先生、いらっしゃいますか?」

「 … どういう御用?」


「先生に会いたいんです、会わせてください!」

女性は切羽詰まった目で浪子に迫った。

「蓮子さん、蓮子さん」

浪子は女性から逃れて、蓮子を呼んだ。

「どうなさったんですか、お義母様?」

玄関に出てきた蓮子は女性を目にした。

「 … ごきげんよう、どちら様ですか?」

「雪乃と申します」


女性はそう言って深くお辞儀した。

「 … まさか龍一の女じゃ?」

「まさか?」


浪子に耳打ちされ、蓮子は女性の顔をまじまじと見つめた。

< さて、この色っぽい女の人は何しにやって来たのでしょう?

… ごきげんよう、さようなら >

連続テレビ小説 花子とアン Part2 (NHKドラマ・ガイド)

新品価格
¥1,188から
(2014/8/19 20:03時点)



花子からおはなしのおくりもの

新品価格
¥1,856から
(2014/8/19 20:03時点)


関連記事
スポンサーサイト

朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。