NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月23日 (土) | 編集 |
第126回

「ほれじゃあ、もものこん頼むじゃんな」

「英治さん、はな、もものこんよろしくお願えしやす」


翌日、吉平とふじは花子と英治にもものことを託して、甲府へと帰って行った。

ももは昨晩、村岡家には戻らず、かよの家に泊まり、今日はそのまま店の準備を手伝っていた。

花子はラジオ局に向かう前に店に出向いてももに気持ちを伝えた。

「もも、うちで一緒に暮らそう。

お嫁に行く時、もも言ってくれたじゃない」


花子の書く物語を楽しみにしていると言ったももの言葉が勇気をくれた。

「あの時、ももがああ言ってくれなかったら … お姉やん、お話を作る夢あきらめてたかも知れない。

私が今、翻訳したり、童話の仕事をしていられるのは、もものお蔭だよ」


しかし、ももは仕事の手を休めようともせず、頑なに口を閉ざしたままだった。

< もものかじかんだ心が溶ける日は来るのでしょうか? >

* * * * * * * * * *

ももに無理強いすることは避け … ひとまず、花子はラジオ局へと向かった。

「皆さん、ごきげんよう ~ 今日もよろしくお願いいたします」

廊下で漆原、黒沢、有馬の3名と出くわした。

黒沢は、花子の放送が大変好評だということを伝えた。

「まあ、それはうれしいです。

では、後ほど … ごきげんよう」


花子の後姿を見つめながら、漆原が吐き捨てるように言った。

「ごきげんようか … 」

* * * * * * * * * *

会議室。

「これ全部、村岡先生宛てのお手紙です。

どうぞ、ご覧になって下さい」


黒沢は手紙の束を差し出すと、花子が修正を加えた原稿の許可を得るために逓信省へと出かけて行った。

花子は、その中の一通の葉書に目が留まった。

< それは、病気の坊やを持つお母さんからのお手紙でした >

* * * * * * * * * *

「もも、少し休んだら?」

朝からひと息もつかずに働きずくめのももを見てかよが嗜めた。

店はまだそれほど忙しい時間ではないのだ。

「私、一生懸命働くから … ここに置いて」

「 … でも、お姉やんが寂しがるよ」


かよはやんわりと諭した。

「ももと一緒に暮らしたいって、お姉やん心から思ってるよ」

「お姉やんはきっと、そんなこと思わないよ … あんなに忙しそうだし」


そう言いながら、ももは一向に手を休めようとはしなかった。

「お姉やんがあんなに仕事するようになったのは … 坊やが亡くなってからだよ」

かよの言葉にももの手が止まった。

「それからは、日本中の子供たちに物語を届けるんだって、いつもたくさん仕事を抱えてる。

… ラジオのおばさんもそんな気持で引き受けたんだと思う」


* * * * * * * * * *

花子が目を留めた葉書には、入院中の息子が『コドモの新聞』を楽しみにしていること、放送を心待ちにしていることが書かれていた。

『 … 息子にとって、先生の放送は希望なのだと思います』

手紙はそう締めくくられていた。

読み終えた花子はあることを思いついた。

* * * * * * * * * *

一方、その頃、ももは村岡家に戻っていた。

工房で仕事をしていた英治は、ももが花子の申し出を聞き入れてくれたと思って、ことのほか喜んだ。

「花子はラジオ局に行ってますけど、帰って来たら大喜びします」

「違うんです、荷物を取りに … 」


自分の早合点に気づいた英治は、残念そうな顔をみせた。

* * * * * * * * * *

居間に通されたももは、歩の遺影の前に座ってじっと見つめていた。

花子がももの夫の死を知らなかったように、もももかよに聞くまで歩の死を知らなかった。

ももには子供はいなかったが、身近な者を亡くす悲しみは理解できた。

それが我が子だとしたら … 花子の気持ちを思うと胸が痛んだ。

「 … これですね」

英治がももの唯一の荷物である風呂敷包みを持ってきた。

「すみません … 」

「実を言うと、僕はももさんが羨ましいです」


英治の唐突な言葉に、ももは思わず顔を見た。

「喧嘩が出来る姉弟がいて、羨ましいです」

英治は郁弥の遺影を見つめながら話しを続けた。

「僕は弟を亡くしました。

喧嘩も仲直りも、ひとりじゃできません」


* * * * * * * * * *

「あ、そうだ ~ ももさん、ちょっと待ってて。

花子が書いた新しい本、持っていってください」


花子の新刊を取りに書斎に入った英治は、仕事机の上に歩の小袋が置き忘れてあることに気づいた。

* * * * * * * * * *

「ももさん、お願いがあるんです。

この写真をラジオ局まで届けてもらえませんか?」


英治は小袋に入った歩の写真を差し出した。

「僕がいければいいんですが、急ぎの納品があって … 花子に渡して欲しいんです」

「 … 分かりました」


ももは英治から小袋を受け取った。

そして、その中から写真を取り出してみた。

可愛らしい男の子が少し照れくさそうに笑っていた。

* * * * * * * * * *

スタジオ内で本番を間近に控えた花子だったが、指揮室を出ると、その場に控えていた漆原と有馬の前に立った。

「あの、ご相談があるんですが … 」

「今度は何ですか?」


漆原はあからさまに嫌な顔をした。

「原稿を変更したいんです」

「またですか … 」


漆原と有馬は顔を見合わせた。

「放送はもう間もなくです。

逓信省の承認を取る時間はもうありませんから、そのままお読みになるしかありません」


有馬はにべもなくはねつけた。

「変更と言っても、ひと言だけです。

最後の挨拶を『さようなら』ではなく、『ごきげんよう、さようなら』にしたいんです」


有馬は鼻で嗤った。

「冒頭でも『ごきげんよう』と述べて、最後にまた『ごきげんよう』と述べるのですか?」

「余程、ごきげんようという挨拶をしたいんでしょう」


漆原はまるで蔑むような目で花子を見た。

* * * * * * * * * *

「あなたは、秀和女学校のご出身だそうですね?」

花子がうなずくと、自分の妻もそうだと漆原は言った。

「ごきげんようは、朝から晩まで耳にタコができるくらい聞かされます」

うんざりしている口ぶりだった。

「あそこは、家柄のいいお嬢様たちが通う名門です。

しかし、あなたは給費生だったそうですね?」

「ええ、そうです」


この男は一体何を言いたいのだろうか …

「貧しい家の出であるあなたが、ことさらに『ごきげんよう』という言葉を使いたい気持ちは分かります。

しかし、『ごきげんよう』が似合う人間と似合わない人間が居るんですよ」


身分を鼻にかけて、人を嘲る … これがこの男の本性なのだ。

* * * * * * * * * *

しかし、花子も負けてはいなかった。

「そうでしょうか?

『ごきげんよう』は様々な祈りが込められた言葉だと思います」

「祈り?」

「どうかお健やかに、お幸せにお暮しくださいという『祈り』です。

人生は上手くいく時ばかりではありません。

病気になることもあるし、何をやっても上手くいかない時もあります。

健康な子も、病気の子も、大人たちも、どうかすべての人たちが明日も元気に無事に放送を聴けますようにと、『祈り』を込めて番組を終わらせたいんです。

… どうかお願いします」


それでも、花子は漆原に頭を下げて頼んだ。

完全に論破されて、返す言葉もない漆原はソッポを向いている。

その時、指揮室に入ってきた黒沢が助け舟を出した。

「挨拶の部分ですから、換えても問題にならないと思います」

「いいえ、一行一句変えてはなりません!」


杓子定規の有馬はそう言いはったが、当の漆原はあっけなく折れた。

「まあ、いいでしょう。

問題になったら、下りてもらえばいい … 時間だ、はじめよう」


漆原にとって自分に責任が及ぶかどうかが一番重要なのだ。

* * * * * * * * * *

「村岡先生 … 」

黒沢に促されて、花子がドアの外を見ると、そこにはももが立っていた。

「もも?!」

当然、今のやり取りもすべて目の当たりにしていた。

「お姉やん、これお義兄さんから … 」

ももは歩の小袋を花子に手渡した。

「ああ … ありがとう」

「じゃあ、私 … 」


そそくさと引き上げようとするももに向かって花子は言った。

「もも、本当にありがとう」

ももは少し顔を強張らせながらも小さくうなずくと、その場から立ち去った。

* * * * * * * * * *

6時20分、『コドモの新聞』は始まった。

「全国のお小さい方々、ごきげんよう ~ これから皆さんの新聞のお時間です … 」

局内に流れる花子の声に、ももはじっと耳を傾けていた。

「最初のお話です … 大阪でヒヒが逃げたお話です。

今朝の6時ごろのことです」


花子の優しい口調を耳にしているうちに、ももの顔にも笑みが浮かんできた。

「 … 今日の新聞のお時間はここまでです。

それでは皆さん … ごきげんよう、さようなら」


* * * * * * * * * *

「ごきげんよう … 」

そうつぶやいたももの顔を夕陽が黄金色に染めていた。

< 花子の声が魔法の言葉のように、ももの心に沁み込んでいきました。

… ごきげんよう、さようなら >

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