NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月28日 (木) | 編集 |
第130回

ももは美里を花子たちに託し、胸を患った旭の療養先に向かった。

1938年(昭和13年)・夏。

< それから5年経ちました。

ももの献身的な看病のお蔭で旭は元気になり、英治の頼もしい片腕として働いています。

ももと旭の間には、もうひとり女の子が産まれました。

花子たちが長らく預かっていた美里は、ももと旭のたっての願いで、村岡家の養女になりました >

愛犬のテルも立派な成犬に育ち、美里のいい遊び相手だ。

「お母ちゃま、いってらっしゃい」

「美里、ももおばちゃまの言うこと聞いていい子にしてるのよ」

「はい、夕方、ラジオ聴くからね」


美里やももに見送られて、花子はラジオ局に向かった。

* * * * * * * * * *

「今日の記事はまだ決まらないんですか?」

漆原が苛立ち気味に会議室に顔を出した。

花子は黒沢と共に原稿を選考しているのだが、なかなか思うような記事が見つからなかった。

「あの、動物の記事はありませんか?」

「はあ?!」


花子が黒沢に訊ねたのを耳にした漆原が声を荒げた。

「ほら、動物園から珍獣が逃げ出して大騒ぎとか … 以前はそういうニュースたくさんあったじゃないですか?」

「村岡先生、この時局下において、珍獣がどうのこうのってことどうでもいいんです!」


花子の言葉など、一蹴した。

< 前年、日中戦争が勃発し、この春には国家総動員法が出来、国民は総力を上げて、軍事体制への協力が求められていました >

* * * * * * * * * *

< 『コドモの新聞』のニュースも軍事に関するものが大半を占めるようになりました >

村岡家の近所の子供たちの遊びも兵隊さんごっこのように勇ましいものに変わっていた。

「あっ、今日はラジオのおばさんの日だ!」

「もうじき始まるぞ!」


それでも子供たちは、『コドモの新聞』を楽しみにしていて、放送時間が近づくと遊ぶのも止めて、家路を急いだ。

* * * * * * * * * *

「 … JOAK、東京放送局であります。

只今から、『コドモの時間』の放送です」


ラジオから軽快な音楽が流れ出し、有馬が番組のはじまりを告げた。

村岡家の居間には、美里と英治、それに旭と赤ん坊を抱いたももがラジオの前に集まっていた。

「楽しみだな ~ 」

美里は英治の膝の上に座ってうれしそうに話した。

「今日ね、お母ちゃまにお願いしたの ~ 美里が好きな動物のお話をしてって」

どうりで、花子が動物の話を探していた訳だ。

* * * * * * * * * *

ところが、ラジオから聞こえてきた話は様子が違った。

「遥か太平洋の向こう、カナダのバンクーバーという港に住む日本人は、青年会を作っています。

その中の少年たち30人は、クリスマスやお正月のお小遣いを倹約して、貯金をしていました。

それが、25圓53銭になりましたので、陸軍省宛てに送って来ました。

『このお金で軍馬や軍用犬や軍用鳩のため、何かごちそうをしてあげてください』とありました … 」


* * * * * * * * * *

「また一週間経ったら、お話ししましょうね。

それでは皆さん … ごきげんよう、さようなら」


放送が終わると、美里はすぐに英治に訊ねた。

「動物のお話は?」

「う ~ ん … 軍馬、軍用犬、軍用鳩って、お母ちゃま言ってただろ?

あれは、兵隊さんたちのお手伝いをする、お馬や犬や鳩のことだよ」


苦しい説明だった。

「まあ、動物の話には違いないんですけどね … 」

「美里ちゃんには、ちょっと難しかったかな?」


旭とももが宥めたが、美里はつまらなそうな顔をしていた。

* * * * * * * * * *

宮本家でも、龍一を除いた家族が揃って花子のラジオを聴いていたところだ。

「カナダの少年たちは偉いわね、お小遣いを貯めて陸軍省に送るなんて」

富士子が感心していると、純平が咎めるような口調で言った。

「富士子、一番立派なのは、お国のために戦っている兵隊さんたちじゃないか。

はあ ~ 僕も早く入隊したい」


純平がふと漏らした言葉に、文机で原稿を書いていた蓮子のペンが止まった。

「 … 純平?」

すると、純平は蓮子の方に向き直って膝を正した。

「お母様、僕は軍人になりたいです」

「純平、立派な心掛けです」


浪子は純平の志を褒めた。

「こないだラジオで言っていました。

少年航空兵は、15歳から募集があるそうです。

… 試験を受けさせてください」


* * * * * * * * * *

「だめです、いけません」

蓮子が認めないと、純平は不満げに理由を訊ねた。

「 … あなたは、まだ勉強しなければならないことがたくさんあります。

戦地がどういう所かも分かっていないでしょう?」

「僕は、お国のために身を捧げ、お母様たちをお守りしたいんです!」


* * * * * * * * * *

「純平君がそんなことを?」

次の日、村岡家を訪れた蓮子は、昨晩の純平の話を花子にこぼした。

「蓮様、龍一さんは何て?」

「龍一さんにはとてもそんなこと言えないわ」


龍一が中国との戦争を終わらせるために、昔の仲間たちと共に活動していることを蓮子はそっと明かした。

「家族には迷惑かけたくないと言って、余り話してはくれないけれど … 」

不安そうに表情を曇らせた。

< 戦争の影は、人々の暮らしの中に忍び寄っておりました >

* * * * * * * * * *

数日後、梶原が思いがけない人を伴って村岡家を訪れた。

「梶原さん、ごきげんよう、お暑かったでしょう … てっ!?」

後から入ってきたのは、スコットだった。

「スコット先生には少し前から秀和女学校の仕事の合間に聡文堂を手伝っていただいていたんだ」

居間に腰を下ろした梶原はそう説明した。

「これからはなかなか翻訳ものは出しづらくなると思うけど … まあ、出来る限りのことはやろうと思ってね」

梶原はスコットの推薦だと言って、一冊の本を差し出した。

「 … どう思う?」

「パレアナ!」


花子はその本を手に取り、タイトルを見るなり声を上げた。

「(私の大好きな物語です!

どんなつらい時も希望を見出そうとする主人公が素敵ですよね)」


スコットは笑顔でうなずいた。

「梶原さん、この物語は必ず日本でも愛されると思います」

「じゃあ、決まりだな ~ 翻訳してくれるよね?」


花子はふたつ返事で引き受けた。

スコットと一緒に本を作れるなんて、花子には夢のようなことだった。

「スコット先生は英語が通じる喜びをはじめて私に教えてくださった恩人なんです」

* * * * * * * * * *

「(先生方はお元気ですか?)」

「(何人かは日本を離れ、帰国しました)」


花子の質問にスコットはやや寂しそうに答えた。

「(そうですか … )」

ミッションスクールへの政府の圧力が強まったという話を聞き、花子は心配はしていたのだ。

「(これからどうなっていくのでしょう?)」

眉をひそめたスコットに、花子は何も答えることが出来なかった。

* * * * * * * * * *

花子は早速、大好きだった物語、『パレアナ』の翻訳に取りかかった。

* * * * * * * * * *

< そんなある日のことでした >

「役場から連絡があったと思いますが、この犬はお国のためにお預かりします」

婦人会の役員たちが、テルのことを引き取りにやって来た。

「この犬は、娘と楽しく遊ぶことしかできません。

お役に立てるかどうか … 」


テルを出来れば渡したくない花子がささやかな抵抗を試みたが、役員たちはただ「お国のため」と口にするだけだった。

連れて行かれる時、テルはまるで「行きたくない」というように悲しい鳴き声をあげた。

「テル … 」

< ほっそりした柴犬のテルが戦地で勇ましく戦える訳がありません。

役に立たなければどうなるか … 花子も英治もテルが二度と帰って来ないことを知っていました >

* * * * * * * * * *

しばらくすると、ももと出かけていた美里が帰って来た。

「お母ちゃま、ただいま ~ 」

美里は花子に挨拶をすると、その足でテルの犬小屋へ向かった。

「テル、ただいま!」

「美里 … 」


犬小屋にテルが居ないことを知った美里は、テルの名を呼び、庭中を捜しはじめた。

「テル、テル?」

美里は庭に出てきた花子に訊ねた。

「お母ちゃま、テルは?」

「あのね、美里、テルは … 」


その後の言葉がどうしても出てこない花子に代わって、英治が説明した。

「テルは、お仕事に行ったんだよ」

「お仕事?」

「うん、兵隊さんたちを手助けするために行ったんだ」


美里は花子を見た。

「お母ちゃま、そうなの?」

「ええ」

「美里もテルお見送りしたかったのに … 」


美里の言葉に胸が一杯になりながら花子は答えた。

「テルね、目でお話してたわ。

『僕、行ってきます … 美里ちゃんに、ありがとうって言って下さい』って」


* * * * * * * * * *

「テルいつ帰って来るの?」

花子は息を呑んだ。

「テル帰って来るんでしょ?

… お母ちゃま、テル帰って来るわよね?」


美里に悟られてはいけない思いながら、花子は悲痛な顔で黙り込んでしまった。

花子だけでなく、英治も、ももも、旭も同じだった。

< とても本当のことは言えない花子でした。

… ごきげんよう、さようなら >

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