NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月29日 (金) | 編集 |
第131回

< 中国との戦争が続き、人々の暮らしの中にも戦争の影が忍び寄っておりました >

村岡家の愛犬テルも、美里の留守の間に徴用のため、連れて行かれてしまった。

< 花子も英治もテルが二度と帰って来ないことを知っていました >

「テルいつ帰って来るの、テル帰って来るんでしょ?

… お母ちゃま、テル帰って来るわよね?」

花子は美里に何と答えればよいのか困ってしまった。

* * * * * * * * * *

英治は美里の手を握った。

「美里、テルはもう … 」

「帰って来るわよ。

テルは兵隊さんのために一生懸命働いて、きっと帰って来るわ」


花子は英治の言葉を遮って、思わず口を出してしまった。

「美里がいい子にしてたら、早く帰ってきてくれる?」

「そうね … 」

「美里、たくさんいい子にしてるわ」


< 花子は美里を悲しませたくない一心で、ウソをついてしまいました >

* * * * * * * * * *

「テル、ちゃんとご飯食べたかな?」

「心配しなくても大丈夫よ、今日も一日よく頑張ってお仕事しましたねって、兵隊さんたちからたくさんご飯をいただいてるわ」


寝る時間になっても美里はテルの話ばかりしている。

「ねえ、お母ちゃま、テルは今どこに居るの?」

「海の向こうに渡るために、きっと今頃お船の上だよ」


英治の言葉に美里は目を閉じた。

花子から教えられた空想の翼を広げる方法だ。

「テル、兵隊さんたちと一緒に大きなお船に乗ってるわ」

「うん、お船の上で兵隊さんたちに可愛がられてるわね」


花子も同じように目を閉じて、思い浮かべた。

「そんな遠い所に行って、迷子にならない?」

「 … 兵隊さんたちがついてるから心配いらないわ」


美里は安心すると、ようやく布団に入った。

「テル、早く帰って来ないかな ~ 」

* * * * * * * * * *

花子は美里の寝顔を見ると胸が痛かった。

「 … どうしよう、あんなこと言っちゃったけど」

川の字に布団を敷いて、美里を挟んだ向こう側に横たわっている英治が答えた。

「しょうがないよ、テルがもう帰って来ないなんて … 言えないよ」

「そうよね … 」


* * * * * * * * * *

< その後も美里は毎日、テルの帰りを心待ちにしていました >

外出しても、テルが帰って来るかも知れないと急いで帰り、テルの絵ばかり描いていた。

花子は自分の言葉を信じて、テルの帰りを待っている美里のことが気になって、仕事の手も止まりがちだった。

* * * * * * * * * *

そんなある日、吉太郎が久しぶりに村岡家を訪れた。

「しばらくだな、皆元気そうじゃん」

吉太郎は美里に土産だと言って饅頭の包みを渡した。

「てっ、兄やんが御饅頭?」

「どうしたの?」


ももと花子が大袈裟に驚くと、吉太郎はバツが悪そうな顔をした。

「たまには土産くらい持ってくるさ … いや、実を言うと、はなにちょっと頼みがあってな」

* * * * * * * * * *

「上官の甥っ子が、はなのラジオ番組を大好きならしくて … 」

頼みというのは、『王子と乞食』の本に花子の署名を入れてほしいという他愛のないことだった。

美里は吉太郎の土産の饅頭を美味しそうに頬張っている。

ラジオの出演がある花子が出かけて行った後、美里は吉太郎に一緒に絵を描こうとねだった。

子供に優しい吉太郎のことを美里も大好きだった。

* * * * * * * * * *

「へえ、上手だな」

縁側で絵を描く美里を吉太郎は目を細めて見ていた。

実父と養父、どちらも絵の才能がある美里の絵は絵心がない吉太郎の目にも達者に見えた。

「テルが兵隊さんをお助けしているところよ」

吉太郎はその言葉にテルが居ないことに気づいた。

「テルは?」

「兵隊さんのために働きに行ったの」

「兵隊さんのために … お母ちゃまがそう言ったのか?」

「テルが帰ってきたらね、いっぱいほめてあげるの ~ ごほうびもあげるのよ」


* * * * * * * * * *

「美里ちゃん、毎日待ってるの」

複雑な顔で美里の話を聞いている吉太郎にももが小声で伝えた。

「早く帰って来ないかな ~ 」

しばし考えていた吉太郎が美里に言った。

「 … 美里、テルはお国のために身を捧げて働いてるんだ」

「でも帰って来るんでしょう?」

「お仕事が終わったら帰って来るって、お母ちゃま言ってたものね」


ももがとりなすと美里はうなずいた。

「美里がいい子にしてたら、早く帰って来てくれるわよね?」

そして、念を押すように訊ねたが、吉太郎は黙って美里の顔を見つめたままだった。

「おじちゃま?」

* * * * * * * * * *

「 … 帰って来られなくても、テルはお国のために立派に尽くしたということだ」

吉太郎は美里の目を見ながら諭すように言った。

「兄やん」

ももが止めたが少し遅かった。

「テル、もう帰って来ないの?」

美里の涙声を聞いて、吉太郎もそれ以上何も言えなくなってしまった。

「やだっ、そんなのいや!」

その表情から何かを察したのだろう、美里は声を上げて、裸足のまま縁側を飛び下りると、英治の居る工房へと走っていってしまった。

* * * * * * * * * *

「お父ちゃま」

泣き顔の美里を英治は抱き上げた。

「美里、どうした … うん、どうした美里?」

ももと吉太郎が慌てて工房に走り込んできた。

「申し訳ありません。

自分が余計なことを言ってしまって … 」


吉太郎の話を理解するには美里はまだ幼すぎたのだ。

* * * * * * * * * *

ラジオ局の花子は、そんな出来事があったことを知る由もなかったが … 美里とテルのことを思い、たまらなくやるせない気持ちに苛まれていた。

「ごきげんよう … よろしくお願いいたします」

廊下ですれ違った有馬が呆れたように言った。

「あんな浮かない顔で、ごきげんようもないものです」

「原稿さえ、読み間違えなければいいんだ」


漆原は吐き捨てた。

* * * * * * * * * *

ニュースの原稿は前にも増して、軍事関連のものばかりになっていた。

花子にとって、選考するのさえ気が重かった。

「村岡先生、動物のニュースがありました。

いいニュースですよ」


黒沢が差し出した原稿に花子は飛びついた。

それは、徴用された軍用犬が戦地で手柄を立てたというニュースだった。

* * * * * * * * * *

「正しい発音、滑舌に注意、一字一句原稿は正確に!」

リハーサルを終えた花子に有馬がいつもにも増して強い口調で注意を与えてきた。

逓信省の目が厳しくなっているのだ。

「原稿を正確に読むことは益々重要です」

「はい … 」


* * * * * * * * * *

村岡家。

『コドモの時間』が始まったというのに、ラジオの前には美里の姿がなかった。

縁側に座って、テルの犬小屋をじっと見つめたまま動こうとしないのだ。

「美里ちゃん … 」

ももが近づいて声をかけてもびくとも動かない。

「ほら美里、お母ちゃまの出番だよ」

「全国のお小さい方々、ごきげんよう … 『コドモの新聞』のお時間です … 」


* * * * * * * * * *

「 … さて次は、犬の兵隊さんに功労賞が贈られたという話です。

犬の兵隊さんと呼ばれる軍用犬は戦地でお働きの兵隊さんをお助けして、大変お役に立っていると、何度かお話ししましたね」


『犬の兵隊さん』の話だと知った美里は、急いで居間へ行き、英治の膝の上にちょこんと腰かけた。

「この軍用犬の中には、皆さんのおうちで飼われていた犬もたくさんいます」

ラジオから流れて来る花子の声に美里は耳を傾けた。

「その中のあるおうちで飼われていた犬 … 」

花子の脳裏をテルと遊ぶ美里の笑顔がよぎった。

「 … テルは、戦地で元気に兵隊さんのお役に立っています」

重大な違反行為だった。

許可を得ず、その場で原稿を読みかえてしまったのだ。

「テル号は、隠れていた敵を見事に捜し出し、兵隊さんをお守りするという大変立派な働きをしましたので、この度、功労賞を与えられました」

* * * * * * * * * *

ラジオを聞く美里の顔に微笑みが戻っていた。

「テル、テルだ!

テルがニュースに出たよ」


目をキラキラ輝かせて皆に言って回った。

* * * * * * * * * *

< もちろん、原稿にはテルともテル号とも、ひと言も書いてありませんでした >

スタジオの中、花子の傍らに座っている有馬はあたかも憎悪を込めたようなまなざしで花子をにらみつけている。

あの黒沢でさえ、指揮室から花子のことを厳しい目で見つめていた。

< これは、まずいことになりそうです。

… ごきげんよう、さようなら >

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