NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年09月03日 (水) | 編集 |
第135回

昔の仲間と共に秘かに和平工作を企てていた龍一は、突然乗り込んできた吉太郎が率いる憲兵隊に連行されて行ってしまった。

心配して宮本家に駆けつけた花子と英治だったが、取り乱した蓮子から、龍一のことを密告したのではないかと一方的に責められ、締め出されてしまった。

* * * * * * * * * *

仕方なく家に戻ったが、花子の不安は募るばかりだった。

「 … どうなるのかしら?」

「僕は、お義兄さんの忠告に従った方がいいと思う。

これ以上深入りしたら、君まで巻き込まれるよ」


英治が一番懸念するのはそのことだった。

花子は美里の寝顔を見つめた。

自分に何かあったら、美里はどれほど悲しむだろうか … 何より、子供たちの夢を守るという目的もかなわなくなるだろう。

* * * * * * * * * *

蓮子は差し入れを持って、龍一の面会を求めたが、受け入れてはもらえなかった。

「家族にも会わせてもらえないなんて … 」

「すみません」
 

嘆く浪子に蓮子は頭を下げた。

「お母様が謝ることなんてない … 悪いのは、お父様だ」

軍国少年である純平は、国賊呼ばわりされている父のことが許せなかった。

そんな純平を蓮子は呆然と見つめた。

「 … 皆さんは、戦地の兵隊さんが安心して戦え、誉の凱旋が出来ますように、おうちのお手伝いをし、しっかりお勉強をいたしましょう。

それでは皆さん … ごきげんよう、さようなら」


ラジオからは、花子の放送が流れていた。

* * * * * * * * * *

一方、花子も『コドモの新聞』で戦争や軍隊のニュースばかりを読まされることに疑問を抱いていた。

放送を終えた後、このまま自分が語り手を続けていくべきかどうか、黒沢に投げかけた。

「私は子供たちがワクワクするような話がしたくて、この番組をお引き受けしました。

これ以上、戦争のニュースを読み続けるのなら、私ではなく有馬さんおひとりで読まれた方がよろしいんではないでしょうか?」


そんな花子に黒沢は切実な顔で答えた。

「子供たちは、村岡先生の『ごきげんよう』を待っているんです。

『ごきげんよう』という先生の挨拶を聞くために、ラジオの前に集まってくるんです。

こういう時だからこそ、僕は村岡先生の『ごきげんよう』が子どもたちの心を明るく照らすのだと思います」

「黒沢さん … 」

「どうか続けてください … お願いします」


黒沢に頭を下げられ、花子は何も言い返せなくなってしまった。

* * * * * * * * * *

ラジオを聴いている子供たちから花子宛てに届く手紙は一向に減ることはなかった。

皆、それだけ『ラジオのおばさん』の話を楽しみにしているのだ。

手紙を読むたびに花子の葛藤は強まっていった。

花子が書斎で手紙に目を通していると、英治が蓮子から電話がかかってきたことを伝えた。

* * * * * * * * * *

花子が、呼び出されたカフェータイムを訪れると、蓮子はまず申し訳なさそうに頭を下げた。

「はなちゃん、この間はごめんなさい。

龍一さんが連れて行かれて、あの日はすっかり取り乱していて … はなちゃんが密告なんてする訳ないのに、本当にごめんなさい」

「いいのよ … 私こそ、何にも力になれなくてごめんなさい」


花子が他の客を気にしながら、龍一のことを尋ねると、蓮子は首を振った。

「差し入れを持って会いに行ったけど、会わせてもらえないの」

蓮子はすがるような目で花子に言った。

「お願い、はなちゃん、吉太郎さんに頼んで、龍一さんがどんな状況か聞いて欲しいの。

できれば、これも渡して欲しいの」


傍らに置いてあった風呂敷包みを取り出した。

「疑われるようなものは入ってないわ。

着替えと、彼の好きなランボーの詩集よ … それから、私と富士子からの手紙」

「手紙はすべて読まれてしまうわ。

蓮様のことだから、きっと熱烈な恋文なんでしょ?」


元気づけようとした花子の軽口に応える余裕もなく蓮子はうつむいてしまった。

「分かったわ … 兄やんに頼んでみる」

「ありがとう」


礼を言いながら、蓮子は風呂敷包みを抱きしめていた。

* * * * * * * * * *

「こんなに思ってくれる奥様がいるのに … どうして龍一さん、そんな危険な活動に加わってしまったのかしら?」

ところが、花子がふと漏らした疑問に蓮子から返ってきたの意外な言葉だった。

「でも、龍一さんは間違ったことはしていないわ。

あの人は、誰よりも子供たちの将来のことを考えているわ … だから、今の国策に我慢できないのよ」


蓮子は花子が先日、ラジオで言っていたことに触れた。

「 … まるで、みんな頑張って強い兵隊になりましょうって聞こえたわ」

花子は弁解しようとしたが、蓮子は構わずに続けた。

「はなちゃんも、誰かに読まされているんでしょう?

… そうやって、戦争をしたくて堪らない人たちが国民を扇動しているのよ」


興奮して、声が大きくなってきた蓮子を花子は慌てて嗜めた。

店にはふたりの他にも客がいるのだ。

「私は戦地にやるために、純平を産んで育ててきたんじゃないわ」

カウンターに居た客たちが、そそくさと勘定を済ませて店を出て行ってしまった。

* * * * * * * * * *

「はい、美味しいコーヒーを淹れましたよ ~ 姉やんにはサイダー」

ふたりのテーブルに運んできたかよに花子は謝った。

「 … お客さん、帰っちゃったわね」

「ごめんなさい、かよさん」


かよは笑いながら答えた。

「いいえ、どうぞごゆっくり … 誰も居なくなったから、大きな声で話しても大丈夫ですよ」

悪戯っぽく言うとカウンターの奥へと戻っていった。

* * * * * * * * * *

かよには謝罪の言葉を口にしたが、蓮子は決して納得してはいなかった。

コーヒーカップに口をつけながらも花子と目を合わせようとしない。

「蓮様、さっきのような考えを口にするのは、今は慎んだ方がいいと思うわ。

蓮様まで捕まったらどうするの?」

「 … はなちゃんは本当はどう思ってるの?

ラジオのマイクの前で、日本軍が何処を攻撃したとか、占領したとか、そんなニュースばかり読んで …

ああいうニュースを毎日毎日聞かされたら、純粋な子供たちはたちまち感化されてしまうわ。

お国のために命を捧げるのが、立派だと思ってしまう」


花子はまさに葛藤していたことを蓮子に突かれた。

「私だって戦争のニュースばかり伝えたくないわ。

でも、こういう時だからこそ、子供たちの心を少しでも明るくしたいの。

私の『ごきげんよう』の挨拶を待ってくれる子供たちがいる限り、私は語り手を続けるわ」


* * * * * * * * * *

「そんなのは偽善よ」

蓮子はきっぱりと強い口調で言い切った。

「優しい言葉で語りかけて、子供たちを恐ろしい所へ導いてるかもしれないのよ」

「そんな …

私ひとりが抵抗したところで、世の中の流れを止めることなんか出来ないわ」


花子は切々と蓮子に訴えた。

「大きな波が迫ってきているの。

その波に飲まれるか、乗り越えられるかは、誰も分からない。

私たちの想像をはるかに超えた大きい波なんですもの … 私もすごく恐ろしい、でもその波に逆らったら、今の暮らしも何もかも失ってしまう。

大切な家族さえ、守れなくなるのよ」


* * * * * * * * * *

蔑むような目で花子を見た蓮子はおもむろに席を立った。

「やっぱりもう、うちの家族とは関わらない方がいいわ。

こんなこと頼んだ私が間違ってた … 忘れてちょうだい」


そう言うと、自分の勘定をテーブルに置き、風呂敷包みを掴んで出口に向かった。

花子は慌てて呼び止めた。

「待って … 私は蓮様が心配なの。

真っすぐで危なっかしくて」

「はなちゃん、心配ご無用よ」


蓮子はゆっくりと花子を振り返った。

「私を誰だと思っているの?

華族の身分も、何もかも捨てて駆け落ちした … 宮本蓮子よ」


* * * * * * * * * *

「私は時代の波に平伏したりしない。

世の中が何処に向かおうと、言いたいことを言う … 書きたいことを書くわ」


蓮子は誇らしげに口にしたが、花子には精一杯、気を張りつめて無理しているのがよく分かった。

しかし、蓮子というのはそういう女性だということを花子は忘れていたのかも知れない。

「あなたのように卑怯な生き方はしたくないの」

決定的な言葉を蓮子は口にした。

花子は腹心の友に『卑怯』呼ばわりされた怒りよりも大きな悲しみに苛まれた。

「そう … 分かったわ」

* * * * * * * * * *

「 … 私たち、生きる道が違ってしまったわね。

これまでの友情には感謝します」

「ええ」


かよはかける言葉もなくふたりを見守っていた。

「さようなら」

「お元気で … 」


静かに店を出て行く蓮子の背中を花子はただ見送った。

< ふたりの道はもう交わることはないのでしょうか?

… ごきげんよう、さようなら >

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