NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年09月04日 (木) | 編集 |
第136回

「私は時代の波に平伏したりしない。

世の中が何処に向かおうと、言いたいことを言う … 書きたいことを書くわ。

あなたのように卑怯な生き方はしたくないの」

決定的な言葉を口にした蓮子のことを、花子は悲しげな目で見つめた。

「  … 私たち、生きる道が違ってしまったわね」

腹心の友との別れは余りにも突然で、そしてあっけなかった。

* * * * * * * * * *

< 蓮子と決別したまま花子はラジオのおばさんを続けておりました >

1939年(昭和14年)・初夏。

従軍作家として戦地に赴いていた宇田川満代が帰国し、ラジオで報告を兼ねた講演を行うためにJOAKを訪れていた。

局内に流れている花子の放送を耳にした満代は足を止めた。

「相変わらず生温いわね。

大陸の戦場では日本兵が命がけで戦っているっていうのに」


満代には花子が読むニュースなど取るに足らない話にしか聞こえなかったのだ。

「まったく同感です ~ 村岡先生は戦争の話をことさら避けるので、我々としても困ってるんですよ」

局内を案内していた漆原がここぞとばかり花子への批判を口にした。

「まあ、みみずの女王らしいっちゃ、らしいけど … 」

* * * * * * * * * *

「私は、ペン部隊の一員として、我が皇軍将兵の勇戦敢闘ぶりをこの目でしかと見てまいりました」

満代はマイクの前で戦意高揚を熱く語った。

「私は心の中で叫びました。

遠き故国、日本の母よ、姉よ、はたまた恋人よ … あなた方の慈しんだ人は今、破竹の勢いで猛進撃を続けております … 」


その声は放送を終えて、帰り支度をしていた花子の耳にも届いていた。

「不肖、この宇田川満代は、ひとりでも多くの銃後の方々にこのお話を … 例え、歳を取ってこの腰が曲がろうとも語り伝えることでありましょう。

それこそが、ペン部隊の一員たる私が果たすべき、究極の任務なのでございます」


* * * * * * * * * *

「宇田川先生、本日は誠に素晴らしい講演をありがとうございました。

戦地での日本軍将兵の活躍が目に浮かぶようでしたよ」


満代を見送りに出ながら、漆原は絶賛していた。

花子も満代に挨拶をするために廊下で待っていた。

「宇田川先生、日本にご帰国なされてたんですね。

ご無事で何よりです」

「無事に決まってるでしょ ~ 兵隊さんが命を張って私を守ってくれたんですもの。

ちょうどいいわ、これから私の帰国を祝う会があるの」


満代は参加するのが当たり前のように花子にも声をかけた。

* * * * * * * * * *

会場となったカフェータイムには長谷部汀をはじめとして親交のある女流作家たちと編集者の面々が顔を揃えていた。

「実際に戦場に立つとやっぱり違うんでしょうね?」

興味津々で満代に訊ねたのは亜矢子だった。

「当然でしょ、着いたそばから攻撃の爆風でぶっ飛ばされかけたわ。

そのうち、どこでも原稿が書けるようになったわ … 戦闘地帯の真っただ中で書いたこともあるわね」


満代の話に一同は息を呑んだ。

「男でも戦地の凄まじい状況を目の当たりにすれば怯みそうなところを、女である先生が … 感服いたしました」

ラジオの講演が縁で会に参加した黒沢が満代に頭を下げた。

満代は皆から称賛の声を受けて、得意満面で煙草をふかしている。

彼女をペン部隊に推薦した汀もご満悦だった。

「やっぱり、ご自身の目で実際に見た方は説得力が違うわね。

ますます戦地へ行って、自分の目で確かめたくなったわ」

「醍醐さん … 」


次回のペン部隊に参加することを熱望している亜矢子に満代は冷たく言い放った。

「お嬢様のあなたに耐えられるかしら?

… 実際の戦地は、内地で聞いて想像するのとは、悲惨さが全く違うわよ」


* * * * * * * * * *

「例えば匂い … 爆薬や硝煙の匂い。

それから、人の命が燃え尽きる匂い … 」


そう言いながら、満代は表情を曇らせた。

「 … あの匂いには、最後まで慣れなかったわね」

とても口には出せないような壮絶な経験もしてきているのだろう。

しばし、一同は言葉を失った。

* * * * * * * * * *

「あっ、ところで … 蓮子さんは今日はいらっしゃらないんですか?」

黒沢が場の雰囲気を変えるために訊ねた。

「お誘いはしたんですけれど … 」

亜矢子が言葉を濁すと、汀が声を大にした。

「仕方ないでしょ、あの方は私たちと違う考えをお持ちのようだから」

蓮子のことを苦々しく思っているのがありありと分かった。

「はなさん、蓮子様とはずっと連絡を取っていないの?」

亜矢子に訊ねられて花子はうなずいた。

あの日、この店で決別して以来、まったくお互いに音信不通の状態なのだ。

「お姉やん、手紙くらい書いたらいいのに … 」

かよがそっと耳打ちしたが、花子は顔を強張らせて首を振るだけだった。

* * * * * * * * * *

「実は、うちもしばらく翻訳ものの出版は止めることにしたんだ」

数日後、村岡家を訪れた梶原は、残念そうに花子と英治にそう伝えた。

「童話も近々止めざるを得ないかも知れない。

最近は、戦争漫画や戦記もの、それに実用書ばかりが売れていてね … 」


さみしそうに言った。

「夢のある物語は贅沢品なんでしょうか」

「これからますます、世の中に夢を送り出す商売は成り立たなくなっていくのかも知れないね」


花子は梶原の言葉に不安な思いでうなずいた。

* * * * * * * * * *

宮本家。

その日、学校から戻って来た富士子が、蓮子の顔を見るなり、泣きながら抱きついてきた。

「お母様、お母様」

「どうしたの … 何があったの?」


驚いている蓮子に、富士子は涙を流しながら訊ねた。

「お父様は、悪いことしてないわよね?

国賊なんかじゃないわよね?

お父様が憲兵さんに連れて行かれたのは、国賊だからだ、銃殺になれって、石を投げられたの」

「ケガは、ケガはない?」


無傷なことを確認して、蓮子は富士子のことを抱きしめた。

< 憲兵隊で取り調べを受けた龍一は釈放されましたが、世間からは白い目で見られたままでした >

「富士子、お父様はお国を平和にするために働いているのよ … 悪いことしている訳じゃないわ。

お父様のなさっていることは勇気がある行動なのよ。

だから、もう泣かないで … 」


蓮子は富士子に言い聞かせると、その頬の涙を手で拭ってあげた。

母と妹のやり取りを純平が眉をひそめながら見つめていた。

* * * * * * * * * *

そんな時、龍一が戻って来た。

『非国民』『裏切り者』

玄関の戸に彼を誹謗した紙が貼られていた。

貼り紙をはがして家に入ると、蓮子に抱きしめられながら泣いている富士子が目に入った。

「富士子、どうした?」

腰を下ろしながら訊ねると、純平が彼の前に立ちはだかった。

「お父様 … 富士子に謝って下さい」

純平は龍一のことを責めた。

「お父様のせいで、富士子がいじめられているんです。

富士子だけじゃない、お母様やお祖母様だって、お父様のせいで近所の人たちから悪く言われているんです」


蓮子は呆然として龍一を見つめた。

純平は父親に向かって、こんな口をきく子ではなかったはずだ。

「お母様やお祖母様にも謝って下さい」

龍一は静かに答えた。

「俺は間違ったことを言ってるつもりも、しているつもりもない。

一日も早く戦争は終わらせるべきだ … それがお前たちのためでもあるんだ」


* * * * * * * * * *

「僕たちのため?」

「ああ、そうだ」


それを聞いて純平は激昂した。

「僕の将来の夢は、あなたのせいで断たれたんです!」

「止めなさい、純平」


蓮子が諌めたが、純平の怒りは治まらなかった。

「この人のせいで僕は士官学校の受験をあきらめざるをえなかったんだ!

… あなたが日本を裏切って、敵と妙な取引を企てたりするから」

「人を殺すために、戦地で無駄死にさせるために … お前を育ててきた訳じゃない!」

「お国のために命を捧げることは無駄なんかじゃありません!」


龍一は立ち上がって純平の胸倉をつかんだ。

「ふたりとも止めてください!」

にらみ合っているふたりの間に蓮子は割って入った。

純平は部屋を飛び出して行ってしまった。

富士子がまた声を上げて泣き出した。

浪子は辛そうに唇をかみしめている。

蓮子はやるせない思いに耐えながら、富士子を抱きしめた。

* * * * * * * * * *

「蓮子さん、申し訳ないね … 」

夕餉の準備に台所に立っていた蓮子に浪子が詫びてきた。

「私には龍一の考えてることがさっぱり分からない」

「お義母様 … 」


蓮子は弱音を吐く姑をはじめて見た。

「あんな息子に尽くしてくれて、ありがとうね ~ 蓮子さん」

そんなことを言われたのもはじめてなので、困惑してしまった。

「あんたがこの家に来たばっかりの頃は、とても長続きはしないだろうって思ってたけど … あんな息子を支えて、よく働いて、ちゃんと孫を立派に育ててくれて … あなたはいい嫁だよ」

浪子のその言葉で蓮子はすべての苦労が報われた気がした。

「龍一のこと、見捨てないでやって下さいね … お願いします」

また深く頭を下げた。

「お義母様、ええ … 」

蓮子は浪子の手を握って何度も何度もうなずいてみせた。

* * * * * * * * * *

1939年(昭和14年)・秋。

< この年の9月、ヒットラー率いるドイツ軍のポーランド侵攻を契機に、イギリス、フランスなどの連合軍がドイツに宣戦を布告 … 第二次世界大戦がはじまっておりました >

そんなある日、スコットが花子の元を訪れた。

「(カナダも大変な状況ではないですか?)」

「(ええ、先の大戦よりも厳しい状況のようです)」


花子の質問に、スコットは深刻な顔で答えた。

「はな … (私もいよいよカナダへ帰ることになりました)」

「(そうですか … 寂しくなります)」


秀和のカナダ人教師のほとんどがすでに日本を離れていた。

スコットは持参した本を取り出しながら言った。

「(日本を離れる前に、あなたに渡したい本があります)」

花子はその本を受け取った。

* * * * * * * * * *

『ANNE OF GREEN GABLES 』

… 本の題名だった。

< 花子はついに、あの本に出合いました。

… ごきげんよう、さようなら >

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