NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年09月12日 (金) | 編集 |
第143回

< 昭和19年11月24日、武蔵野の軍需工場とその付近が攻撃され、品川、荏原、杉並にも爆弾が落とされました >

避難していた防空壕から出てきた花子とももは、青空を覆い尽くすほどの黒煙を目の当たりにして立ち尽くした。

< ついに東京が戦場となり、命を奪われる危険を人々は身をもって知ったのです >

* * * * * * * * * *

村岡家の前の通りは空襲から逃げてきた人たちが行きかい騒然としていた。

花子とももは軍需工場に働きに出ている英治と旭の安否が気になって、家の前に出て人混みの中にその姿を探した。

「花子さん!」

花子たちを見つけた英治と旭が駆け寄ってきた。

「よかった、ふたりとも無事で」

「おかえりなさい」


夫婦同士が手を取り合ってお互いの無事を喜びあった。

「花子さん、寝てなきゃだめだろう」

「だって、心配だったから … 」

「ご覧の通り、僕らは無事です」


英治も旭もかすり傷ひとつなく、
かよの店も被害がなかったことを知り、花子はホッと胸をなで下ろした。

* * * * * * * * * *

その晩、花子は英治に訊ねた。

「ねえ、英治さん。

もし明日、死んでしまうとしたら、英治さんは何をする?」

「どうしたんだよ、急に?」

「今日、防空壕の中で爆弾が落ちる音を聞いていて思ったの。

明日も生きているとは限らない … 今日が最後の日になるかも知れないって」


すると、英治は少しも迷うことなく答えた。

「そうだな、今日が人生最後の日だとしたら … 僕は花子さんが翻訳した本を読みたいな」

「明日死んでしまうかもしれないのに?」


英治はうなずいた。

「うん、他には何にもしないで、1日中読んでいたい」

先日の熱烈な手紙といい、英治はこの年になっても花子に対する愛情表現にためらうことはなかった。

花子の方が照れ笑いしてしまったが、やはりうれしかった。

「君は?」

「私は … 」


* * * * * * * * * *

書斎で『Anne of Green Gables』の原本を手に取った花子は、スコットからこの本を託された時のことを思い返していた。

「あなたに渡したい本があります」

花子はおもむろにペンを取ると、傍らにあった原稿用紙の上に走らせた。

『Anne of Green Gables』

< 平和になる時を待っているのではなく … 今、これが私のすべきことなのだ … その思いに突き動かされ、花子は久しぶりの翻訳に胸を高鳴らせていました >

体調もすっかり回復した花子は、次第に『Anne of Green Gables』の翻訳に没頭していった。

* * * * * * * * * *

数日後、甲府のふじから美里が居なくなったことを報せる電話がかかってきた。

美里は「東京に帰ります」という書置きを残していなくなったというのだ。

* * * * * * * * * *

花子とももは家の外に出て辺りを見回した。

「花子さん、美里が居なくなったって?!」

連絡を受けた英治が職場から戻って来た。

「ええ、ひとりで甲府の家を出たみたいで」

今にも取り乱しそうな花子の肩を英治はしっかりと掴んだ。

「美里ちゃん!」

路地の先からこちらに向かって走って来る美里の姿をももが見つけた。

「お父様、お母様!」

両親の姿を見つけてうれしそうに駆け寄った。

「美里 … よかった」

「美里!」

「ただいま帰りました」


明るく答えた美里の頬をももがいきなり叩いた。

「お母様がどれほど心配したと思っているの?!」

すごい剣幕で美里を叱った。

「もも … 」

「 … ごめんなさい」


美里は打たれた頬を押さえ、涙を溜めて謝った。

ももの思いもよらぬ行動に花子は驚くばかりだた。

そして、美里に手をかけてしまったもも自身も呆然としていた。

* * * * * * * * * *

家に入って、少し落ち着きを取り戻した美里に英治は訊ねた。

「どうして黙って勝手に帰ってきたりしたんだ?」

「お母様がご病気だって聞いて、ずっと心配だったの。

それに、東京に爆弾が落とされたって、皆が話してるの聞いて、私、じっとしていられない程心配になって。

… ごめんなさい」

「東京は、次またいつ空襲があるか分からないんだぞ」

「それでもいいわ … 私どうしてもお母様の傍に居たいの。

私、お父様やお母様と離れたくない!」


美里は、ふたりに懇願して頭を下げた。

英治も花子もそんな美里がいじらしかった。

だが、願いを聞き入れるということは美里を危険にさらすことでもあるのだ。

* * * * * * * * * *

「美里、お母様からも大切なお話があります」

「大切な話?」

「さっき、もも叔母様が美里を叩いたのは、心から心配してたからよ」


幼い美里には理解できなかったかもしれない。

「あのね、美里 … 」

英治は花子が美里に何を言おうとしているのか分かった。

それでも止めようとはせずに花子にすべてを任せたのだ。

「もも叔母様は、美里の本当のお母様なの」

「えっ?」


美里は目を大きく見開いて花子の顔を見た。

「美里の本当のお母様とお父様は、もも叔母様と旭叔父様なの」

愕然とした美里は、すがるように英治を見た。

「本当のことだよ」

その言葉にその目を一層見開いた。

* * * * * * * * * *

「突然こんな話してごめんなさい。

本当は美里がもっと大人になってから話そうと思っていたわ」


美里は再び花子を見た。

「でも、それではいけないと思い直したの。

戦争は今よりもっとひどくなるかも知れない … 空襲でいつ命を落とすかもわからない。

だから、今のうちに美里にきちんと話をしようと思ったの」


そう言いながら、花子は美里の手を取った。

「美里、よく聞いて。

お父様も、お母様も、美里を本当の子供だと思っているわ。

美里を心から愛してる」


花子は諭すように話した。

「美里、これからも僕ら家族だ」

英治は優し目で美里を見た。

美里は、ふたりを見て目を伏せた。

そして、立ち上がると黙ったまま居間から出て行ってしまった。

「美里 … 」

英治と花子は顔を見合わせた。

美里は分かってくれただろうか …

* * * * * * * * * *

その集団は、ある日突然やって来た。

いつものように翻訳をしていた花子が手を止めて、ももと共に応対に出ると、玄関には割烹着にタスキをかけた女性たちが立っていた。

かよが所属する、雪乃を中心とした水商売を生業にしている女性の集団だ。

当然、かよの姿もあった。

「かよ姉やんどうしたの?」

ももが訊ねると、先ず口を開いたのは雪乃だった。

「村岡花子さんですね」

「はい」

「お姉やんに訊きたいことがあって来たの」


かよは少し顔を強張らせている。

「村岡さんは英語の仕事をしていて、敵国にもたくさんお友達がいると聞きまして」

雪乃はまるで尋問でもするかのように訊ねた。

「お姉やん、隠れて変なことしてないよね?」

「ええ … 外国の友人たちは皆帰国して、もう連絡も取っていませんから」

「それなら皆さんに納得してもらうために見てもらってもいいよね?」


かよの言葉が終わるか終らないうちに雪乃が家に上がり込んできた。

「拝見させていただきます」

あれよあれよという間に全員が雪乃の後に続いた。

* * * * * * * * * *

勝手に上がり込んだ雪乃たちは電話の前に置いてあった住所録をめくりはじめた。

官憲でもあるまいに、家の中のものを調べる気なのだ。

ハッとした花子はその場を離れ、書斎に向かった。

* * * * * * * * * *

障子を閉め、仕事机の上に広げてあった『Anne of Green Gables』の原書と英英辞典を、傍らに置いてあったゆりかごの中に隠した。

それが精一杯だった。

障子を開けて、雪乃たちが入ってきたのだ。

「ここがお仕事部屋ですね」

雪乃は本棚を見て、顔をしかめた。

「村岡さん、敵性語の本、まだこんなにたくさんお持ちだったんですね」

床に積まれた本も殆どが洋書だった。

「お姉やんが英語の本を処分すれば、皆納得してくれると思う」

「そんな … 」


かよはそう言ったが、花子にとって無理な相談だ。

「はな、上がるぞ!」

その時、玄関から聞こえてきたのは、吉太郎の声だった。

* * * * * * * * * *

「あっ、兄やん大変なの ~ かよ姉やんが今、婦人会の人たち連れてきて … 」

慌てて出迎えたももを吉太郎は制した。

「それ聞いてきたんだ」

* * * * * * * * * *

敵性語の本を持っているなんて国賊だと、女性たちは花子を罵った。

「空から爆弾を落として、子供だろうが年寄だろうが、誰彼かまわず殺すような鬼畜米英の本ですよ。

そんなものをまだ大切に持ってるなんて … この非国民」


雪乃と花子が対峙している間を割って吉太郎が入ってきた。

「だから、こんな本は早く捨てろと言っただろ!」

花子を叱りつけた。

「兄やん?!」

「今すぐ敵性語の本を焼かせましょう。

ここにある本は自分が全部焼いて処分します」


吉太郎は、花子には信じがたいことを雪乃たちに言った。

* * * * * * * * * *

「兄やん、止めて!」

庭に置いた一斗缶にくべた炎の中へ、本を投げ入れようとする吉太郎のことを花子は懸命に止めた。

「離せ、離せ!」

「止めて、止めて、ダメ!」


しかし、吉太郎は腕にすがる花子を容赦なく振り払った。

その様子を見ていた、雪乃たちは納得して村岡家から立ち去っていった。

「兄やん、待って … 」

雪乃たちが居なくなったのを確認した吉太郎は力を緩めて本を花子に返した。

「 … 兄やん?」

「また、ああいう連中が来る。

密告者も多い … こういうものを持っていたら、スパイだと疑われるということだ」


追い払うより、処分させるところを見せて納得させて、自ら立ち去らせるために打ったひと芝居だったのだ。

* * * * * * * * * *

「そんなに本が大事か?」

吉太郎は憤然とした口調で花子に訊ねた。

花子はうなずいた。

「今の私には、命よりも大切なもの」

「理解できん … おら、もう守ってやれん」


吐き捨てるように言うと、吉太郎は帰って行った。

後を追うように、かよも無言で出て行った。

* * * * * * * * * *

夜になり、取りあえず本棚の洋書は英治が木箱にしまって隠した。

花子は … 昼間、あんなことがあったばかりなのに、『Anne of Green Gables』の翻訳を再開していた。

< この原書と辞書だけは手元に残し、花子は祈るような気持ちで翻訳を続けました >

* * * * * * * * * *

1945年(昭和20年)1月。

< 学徒出陣で陸軍に入り、訓練を受けていた純平が1年ぶりに帰って来ました >

「ただいま帰りました」

純平の突然の帰宅を、蓮子は驚きながらも喜んだ。

「まあ、純平お帰りなさい」

「特別休暇がもらえましたので」


それがどういう意味を指すのか、蓮子は知っていた …

< … ごきげんよう、さようなら >

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