NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年09月13日 (土) | 編集 |
第144回

< 空襲が激しくなる中、花子は家中の原稿用紙をかき集め、『Anne of Green Gables』の翻訳に取りかかりました。

そして、学徒出陣で陸軍に入り、訓練を受けていた純平が1年ぶうりに蓮子の元へ帰って来ました >

笑顔で出迎えた蓮子に純平は言った。

「特別休暇がもらえましたので」

それは、訓練を終えて、いよいよ戦地へと出征する日が近づいたということに他ならなかった。

* * * * * * * * * *

「この辺りは空襲で燃えなかったんですね。

東京で空襲が始まってから心配していました」

「今、何処にいるの?」


しかし、軍規のため母親にさえ赴任地を教えることは出来ないのだ。

「そう … いつまでいられるの?」

「明日の午後立ちます」


与えられた休暇はほんの僅かなものだった。

「じゃあ、今夜は泊まれるのね?」

「よろしいですか?」


純平はまるで他人行儀なことを口にした。

「当たり前じゃないの、ここはあなたお家ですよ」

すると、純平は少しためらいがちに訊ねた。

「父上は、あれから連絡はありませんか?」

「ええ」

「 … そうですか」


純平は龍一のことを気にしていたのだ。

結局、お互いに分かり合えないままだったことが心残りだった。

* * * * * * * * * *

「ねえ、お夕食は何がいいかしら?

手に入るものは限られているけれど … 」

「お母様の作るものであれば何でも」

「まあ、そんなお世辞まで言えるようになったのね?」


蓮子は努めて明るく振舞っていた。

* * * * * * * * * *

その後、蓮子が足を運んだのは、かよの店だった。

ここを訪れたのは、花子と決別した時以来のことだ。

「ごきげんよう … ご無沙汰しております」

「蓮子さん、本当にお久しぶりです」


再会を喜ぶかよに蓮子は言い難そうに切り出した。

「今日はお願いがあって参りました」

「はい?」

「入営している純平が、つい先ほど休暇で帰って参りましたの。

… お恥ずかしい話ですが、今晩食べさせてやるものが何もなくて困っているんです」


そこまでの話で、かよはすべてを察した。

「わかりました。

そういうことなら … ちょっと待っててくださいね」


蓮子に告げると、一度店の奥に姿を消した。

* * * * * * * * * *

一方、純平は村岡家に花子を訪ねていた。

「お母様、お変わりない?」

「お陰様で … 」


花子は純平に蓮子とは、しばらく会っていないことを打ち明けた。

「やはりそうでしたか」

純平は感づいていたのだ。

「母は以前、花子おば様のことをよく僕たちに話していました … 本当に楽しそうに。

でも、ある時から、パタリと何も言わなくなりました」

「ごめんなさい。

私たち、衝突してしまったの … お互い譲れないことがあって」


純平は寂しそうに笑った。

「皆、離れていきます。

うちは父も母も変わってますから … 」

「そんな … 」


花子は言葉に詰まってしまった。

* * * * * * * * * *

「母のことが心配です。

花子おば様、何かあった時は母を助けてやってください … お願いします!」


純平は畳に両手をついて頭を下げた。

「純平君 … 」

「どうしても、それだけを花子おば様にお願いしたくて」


戦場へ向かう純平が一番気がかりなのは母のことだったのだ。

「お邪魔しました」

仲違いした間柄であっても、花子ならきっと助けてくれる、純平はそう信じて席を立った。

「待って、純平君」

純平を引き留めた花子が台所から取ってきたのは、吉平が持たせてくれたブドウ酒だった。

「これ、今夜皆さんで召し上がって … お母様のお好きなブドウ酒よ」

「いいんですか、こんなに貴重なものを?」

「味は保証できないの。

甲府の実家の父が造ったブドウ酒だから」


何かあった時に役に立つかも知れないと、吉平が言った通り、その時は意外に早く来た。

「 … 遠慮なくいただきます」

* * * * * * * * * *

「純平君」

「はい」


花子は純平の顔を見つめ、そして視線を傍らにある歩の遺影に移した。

「うちの歩も生きていたら、あなたと同じように今頃兵隊さんになって出征していたはず …

あなたを送り出す蓮子さんの気持ちを思うとたまらないの」


花子には純平の姿が、成長した歩の面影と重なって見えて、胸が締め付けられる思いだった。

「お母様のために必ず帰って来なさい」

しかし純平はその言葉にうなずくことはしなかった。

「 … 母のこと、どうかどうか、よろしくお願いします」

念を押すように、花子に蓮子のことを頼んで深く頭を下げた。

* * * * * * * * * *

「どうしたんですか、こんなごちそう?」

蓮子が自分のためにこしらえてくれた鍋物を見て純平は目を丸くした。

「まるでおとぎの国から魔法使いがやって来たみたいでしょ?」

かよが用意してくれた材料のお蔭だった。

「お兄様、どうしたの?」

「何でもない、ただの休暇だ」


ちょうど帰って来た富士子が純平の姿に驚いた後、食卓の上の鍋にも驚いた。

「お鍋なんて何年ぶりかしら ~ もっとよく見たいわ」

富士子に代わって純平が明りを点けると、蓮子が新聞紙に包まった瓶が置いてあることに気づいた。

「これは?」

「ああ、大学の友人からもらってきたんだ。

今時珍しいだろう、ブドウ酒なんて」


純平は平然と答えたが、蓮子は腑に落ちない顔をしていた。

* * * * * * * * * *

「お母様は、もう飲まないんですか?」

夕食後も親子でワインを酌み交わしていたのだが、いつの間にか蓮子は飲むのを止めて純平の繕いものをはじめていた。

「何だか今日は胸がいっぱいで … 純平、召し上がれ」

「はい」


純平は湯呑に残っていたブドウ酒を飲み干した。

「ああ、美味い」

蓮子の顔を見てニッコリと笑った。

「 … そのブドウ酒は甲府のではないかしら?」

黙り込んだ純平を見て、蓮子は確信を持った。

「そうなのね?」

「実は今日、花子おば様に会って来ました」


蓮子は動揺を隠し平静を装った。

「そう … はなちゃん、元気だった?」

「はい、お母様のことお願いしてきました」


純平は包み隠さず話しはじめた。

「花子おば様に言われました。

お母様のためにも、無事に帰って来なさいと …

でも僕は、お母様や富士子のために戦って死ぬなら、悔いはありません」


清々しいほどの笑顔だった。

* * * * * * * * * *

「純平 … 親より先に死ぬくらい、親不孝なことはないのよ」

蓮子は涙を堪えて言った。

「お母様 … そんなこと言わないでください。

どうか、明日は笑顔で送り出してください」


* * * * * * * * * *

別れの時はやってきた。

「お母様行って参ります … 」

蓮子は純平に言葉を返すことも出来ずにただ見つめるだけだった。

「お元気で」

純平はそんな蓮子に向かって敬礼した後、歩き出した。

「純平!」

しばらく歩みを進めた純平の背中に向かって蓮子はようやく声をかけた。

ハッとして振り向く純平。

その目に懸命に笑顔を作った母の姿が見えた。

「武運長久を祈っています」

純平は蓮子の方に向き直ると力強く答えた。

「はいっ!」

笑顔で敬礼してみせると、踵を返して再び歩きはじめた。

蓮子は、涙でくしゃくしゃになった顔でその背中をいつまでも見送った。

* * * * * * * * * *

1945年(昭和20年)・4月15日。

その夜も、花子は『Anne of Green Gables』の翻訳を熱心に続けていた。

「曲がり角を曲がった先に何があるのかは分からないの。

でも、それはきっと … きっと、一番良いものに違いないと思うの … 」


突然、空襲警報のサイレンが聞こえてきた。

「美里、美里!」

花子は、美里の名を呼びながら、居間のラジオのスイッチを入れた。

『東部軍管区司令部発表 … 22時15分現在、敵機の第一目標は相模湾より逐次、帝都南西部地区に侵入する模様であります … 』

「お父様は?!」


美里が居間に駆け込んできた。

「夜勤で遅くなるの」

頭上に爆音が響き、花子は窓のカーテンを開けて、夜空を見上げた。

無数のB29が群れをなして飛んでいる。

ふたりが慌てて防空頭巾を被っている時、書斎の窓ガラスが突然砕け散った。

* * * * * * * * * *

「お母様!」

「美里、大丈夫? … 逃げましょう!」


振り返ると、書斎のカーテンが煌煌と燃えていた。

その火の粉が、書きかけの『Anne of Green Gables』の原稿の上に落ちた。

花子は駆け寄り、座布団を叩きつけて火を消そうとした。

しかし敵わないと知ると、原書と辞書を抱えて、書斎を飛び出した。

* * * * * * * * * *

空襲の中、逃げ惑う人々。

花子は美里と自分の頭巾に防火用水の水を浸し、そして火の粉が降る街並みを抜けて走った。

夜空を紅蓮に染めて燃え上る炎、空からは無数の焼夷弾が降ってくるのが見える。

< 焼夷弾が雨のように降る街を逃げながら花子は祈りました。

生きた証しとして、この本だけは訳したい … 花子の祈りは届くのでしょうか?

… ごきげんよう、さようなら >
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