NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年09月16日 (火) | 編集 |
第145回

「曲がり角を曲がった先に何があるのかは分からないの。

でも、それはきっと … きっと、一番良いものに違いないと思うの … 」

< 平和になる時を待っているのではなく、今これが私のすべきことなのだ。

その思いにつき動かされ、翻訳をはじめた花子でした。

空襲の町を逃げながら、花子は祈りました。

生きた証しとしてこの本だけは訳したい … >

* * * * * * * * * *

一夜明け、激しい空襲の中、必死に逃げ延びた花子と美里は、ももと直子と共に大森の町に戻って来た。

くすぶる煙で目の痛みを訴える美里と直子を励ましながら我が家を目指した。

「大丈夫、もう少しだから歩こう」

< 甲府に疎開させていた直子が東京に帰ってきた矢先の空襲でした >

家に着いた花子たちは愕然とした。

焼夷弾によって、工房がすっかり焼け落ちていたのだ。

地面に黒こげになった青凛社の看板がころがっていた。

* * * * * * * * * *

その時、住居から英治と旭が飛び出してきた。

「美里、花子さん!」

それぞれの家族が抱き合い、お互いの無事を喜んだ。

「皆、無事でよかった … 恐ろしかっただろ?」

しかし、かよの安否が分からない。

英治と旭も少し前に何とか辿り着いたばかりだと言った。

働いていた軍需工場が爆撃されて、命からがら逃げてきたのだ。

一同はふたたび、無残な姿になった工房を見つめ、しばし立ち尽くした。

* * * * * * * * * *

不幸中の幸いか、住居の方は何とか火災を免れていた。

しかし、花子の書斎の被害は大きかった。

「お姉やんの大切な部屋がこんなことになるなんて … 」

ももは嘆いたが、他の部屋にまで燃え広がらなかったことがせめてもの救いだった。

それに、花子の大事な本は、雪乃たちが乗り込んできた後に、英治が防空壕に隠しておいたので難を逃れていたのだ。

* * * * * * * * * *

居間の方で人の気配を感じた花子が目をやると、かよが立っていた。

「かよ、無事だったのね」

花子たちは喜び、駆け寄ったが … かよの様子がおかしかった。

「 … お姉やん、私の店、焼けてしまったの」

目にいっぱい涙を溜めていた。

「あの辺は、全部燃えて何にも残ってない」

かよが命を賭けて守ろうとした店だった。

それがよく分かっている花子は涙ぐみ、かよのことを抱きしめた。

* * * * * * * * * *

一方、宮本家の付近は空襲の被害はほとんどなかった。

「配給、またお芋?」

うんざり顔の富士子に蓮子は言った。

「お母様はお芋好きよ … お芋にはね、お父様との思い出があるの」

一緒になった頃、龍一がよく焼き芋を買ってきてくれた話を聞かせたが、今の富士子の心には響かなかったようだ。

「私は何でもいいから、お腹いっぱい食べたい」

「富士子 … 」

「お兄様は、ちゃんと食べていらっしゃるかしら?」


そんな沈みがちな気分のふたりの前に何年かぶりに龍一が姿を現した。

「よかった、無事だったか … 空襲がひどいと聞いて、心配して戻って来た」

「 あなた … おかえりなさい」

「ただいま」


龍一はふたりのことを力強く抱きしめた。

* * * * * * * * * *

「 … そうか、純平は出征したのか」

蓮子から話を聞き、龍一は眉をひそめた。

「はい、この間一度だけ特別休暇で帰って来たんです」

「お父様がいてくださったら、お兄様喜んだでしょうに … 」


しかし、富士子の言葉を龍一は否定した。

「私がいても … あいつを喜ば出るようなことは何ひとつ言ってやれない」

すると、蓮子は自分もそうだったと言った。

「送り出す前の晩、純平に言われてしまいました。

笑顔で送り出してくれって」


その話を聞いて、龍一は目を閉じた。

* * * * * * * * * *

花子がすでに何枚か書き上げていた『Anne of Green Gables』の翻訳原稿のほとんどは肝心な部分が焼け焦げてしまっていた。

「せっかく翻訳した原稿が … 」

英治は肩を落としたが、花子は意外にも平然としていた。

「原稿はまた書きなおせばいいのよ ~ この原書と辞書がある限り、大丈夫。

何十回爆弾を落とされようと、私この翻訳を完成させるわ。

私に出来ることはこれだけだから … 」


そう言いながら、花子はすでに英治の目の前で翻訳作業を再開していた。

その逞しさに、英治は脱帽し、微笑みながら書斎から出て行った。

< 蓮子や醍醐は … 皆は無事だろうか?

花子は祈るような気持ちで翻訳を続けました >

* * * * * * * * * *

「今夜も空襲が来るんじゃないかしら?」

美里が心細そうに言った。

いつ空襲が来てもすぐに逃げられるように、枕元には防空頭巾を置いて、洋服を着たまま布団に入った。

「いつになったら、ゆっくり寝られるのかな?」

家を焼け出されたかよも、襖一枚隔てた部屋に布団を敷いて寝ている。

「どんなに不安で暗い夜でも、必ず朝がやって来る。

アンも言ってるわ … 朝はどんな朝でも美しいって」


花子は『Anne of Green Gables』に書かれてあった一節を引用した。

すると、美里は幼かった頃のように読み聞かせを花子にせがんだ。

「お母様、アンのお話して」

「いいわよ」


* * * * * * * * * *

花子は部屋の灯りを消して、スタンドの灯の下で『Anne of Green Gables』の原書を訳しながら読みはじめた。

「 …  昨夜はまるで、この世界がまるで荒野の様な世界の気がしましたわ。

今朝はこんなに陽が照っていて、本当にうれしいわ。

でも、雨降りの朝も大好きなの … 朝はどんな朝でもよかないこと?

その日にどんなことが起こるか分からないんですもの、想像の余地があるからいいわ」


花子が読む物語を美里だけでなく、英治とかよも耳を傾けていた。

偶然にも、その文章はまるで今の自分たちの境遇を知っていて、励ましているように聞こえたのだ。

* * * * * * * * * *

< 生と死が紙一重の中で花子は翻訳を続けました >

「 … 『名前は何ていうの?』

子供はちょっとためらってから、『私をコーデリアと呼んでくださらない』と熱心に頼んだ。

『それが、あんたの名前なのかい?』

『いいえ、あの、私の名前ってわけじゃないんですけれど、コーデリアと呼ばれたいんです。

素晴らしく優美な名前なんですもの』

『何を言ってるか、さっぱり分からないね。

コーデリアというんでないなら、何という名前なの?』

『 … アン・シャーリー』」


* * * * * * * * * *

「 … アンって私によく似てる」

物語の主人公アン・シャーリーと自分の共通点を見つけるたびに頬を緩ませる花子だった。

いつしか、アンのことがまるで自分の分身のように思えていた。

「てっ … 何を言ってるでえ ~ おらに似てるずら」

突然聞こえたその声に花子は驚いて振り返った。

何とそこには、子供の頃 … ちょうど、秀和女学校に入学した頃の自分にそっくりの少女が立っていた。

「ぐっどいぶに~んぐ、花子」

吉平方式の英語の挨拶を知っているその少女はもしかしたら …

「てっ … あなた、私 … はな?」

「はなじゃねえ、おらのことは花子と呼んでくりょう」


少女は少し怒ったように言った。

間違いない少女は花子自身だ。

「てっ … やっぱり私だ」

呆気にとられている花子に構わず、はなは仕事机に近づくと『Anne of Green Gables』の原書を指さした。

「その本、面白そうじゃんけ?」

「ええ … すごく面白いわよ」

「おらも読みてえ、ちょっこし読ましてくれちゃあ」


好奇心いっぱいのはなに花子は快く『Anne of Green Gables』を手渡した。

* * * * * * * * * *

「てっ … 英語じゃん、全部英語じゃんけ!

花子はこれ全部読めるだけ?」


目をまん丸にしてはなは訊ねた。

「ええ、読めるわ。

あなたが秀和女学校にいる時、こぴっと頑張って英語を勉強してくれたお蔭で、私今翻訳の仕事をしているの」


花子は少し自慢げに答えた。

「 … 村岡花子という名前で」

はなはうれしそうに笑った。

「村岡花子 … おらも頑張ったけんど、花子も頑張ったじゃん!」

「ええ、ありがとうごいす」


花子は自分に褒められて奇妙な気分だったが、何といっても自分のことは自分が一番よく知っているのだ。

「この本、どんな話か教えてくれちゃあ」

「ええ!」


* * * * * * * * * *

「 … 物語の舞台はカナダのプリンスエドワード島。

主人公は赤毛でソバカスだらけの女の子、アン・シャーリー。

産まれて間もなく両親を亡くして、孤児院に預けられたアンはふとした間違いで男の子を欲しがっていたマシューとマリラという兄妹のお家へやって来るの。

マシューは働き者で無口なお祖父さんなんだけど、アンのことがとっても気に入ってしまって、マリラにこう言われるの。

『マシュー、きっとあの子に魔法でもかけられたんだね?

あんたがあの子をこの家に置きたがってるということがちゃんと顔に書いてありますよ』って」


* * * * * * * * * *

『「そうさな ~ あの子は、ほんに面白い子供だよ」って … 』

「て ~ お祖父やんみてえ」


はなはうれしそうだ。

「そうなの ~ マシューは『well,now ...』っていうのが口癖なんだけど、日本語で訳すと、お祖父やんの口癖だったあの言葉がぴったりなの」

そう言いながら、花子は大好きだった周造の顔を思い浮かべていた。

「あなたとアンは似ているところがたくさんあるの。

アンは11歳の時にひとりでプリンスエドワード島にやって来るんだけど … 」

「おらが秀和女学校に入って時みてえに?」


花子は笑顔でうなずいた。

「そう、その日からアンの運命は大きく変わっていくの」

「て ~ アンって本当におらにそっくりじゃん」


はなは目をキラキラと輝かせた。

「本当に私たちにそっくりなの」

* * * * * * * * * *

「花子、このお話はいつ本になるでえ?」

はなは胸をわくわくさせながら訊ねた。

花子は顔を曇らせた。

「 … それは、分からないの。

本に出来るかどうかも分からないわ」

「ほれなのに花子はどうして翻訳なんしてるで?」


はなの疑問はごく当たり前のことだった。

「それはね、私の中にアンが棲みついていて、絶えず私を励ましてくれるから … 先の見えない不安な時でも、アンは決して希望を見失わず、こう言うの。

『曲がり角を曲がった先に何があるのかは分からないの。

でも、それはきっと … きっと、一番良いものに違いないと思うの』って」

「曲がり角の先」


花子とはなは微笑みあった。

窓から射しこむ春の光、緩やかな風がカーテンを揺らしていた。

< … ごきげんよう、さようなら >

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